看護師の言葉が患者さんの心に届く時

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
fragrant-winter-snowball-697722_640

今日は、先日会った後輩ナースの
素敵な看護について
ご紹介したいと思います。

 

 

彼女は元ホスピスで
一緒に働いていた看護師ですが
現在は脳血管疾患の方が
急性期の治療を終えた
回復期リハビリ病棟で働いています。

 

 

 

ホスピスもそのような病棟も
看護としての大事な部分は変わりありませんが
機能回復のリハビリをする目的が
加わることが大きく異なります。

 

 

 

 

どの病院・病棟であっても
患者さんの安全を守ることには
気を配っていますが

 

 

 

 

特にリハビリを目的とした病棟では
回復過程で転倒リスクが高まるという
ジレンマを抱えていると思います。

 

 

 

 

入院されている方の多くはご高齢であり
病気により四肢のいずれかの麻痺がある方や
コミュニケーションが取り難い方も多いでしょうから

 

 

 

 

転倒は大きな怪我に
つながりかねないため
特に気を配っていることと思います。

 

 

 

 

そんな中で彼女が行った看護が
患者さんの心を動かし

 

 

 

 

安心してナースコールを
押してもらえるようになったことの喜びを
先日語ってくれたので
ぜひご紹介したくなりました。

 

 

 
少しだけ聞き逃してしまった箇所を
メールで尋ねたところ
とても丁寧に返事をくれました。

 

 

 

 

それがまた素敵だったので
以下にほぼそのままで
ご紹介します。

 

 

 

『元々、今の病棟は
非常にバタバタしており、
それを察してか遠慮で

 

 

 

トイレ希望時のナースコールを
押せない・押さない患者さんが
いらっしゃいます。

 

 

その結果、
1人でトイレへ行ってしまった事による
転倒事故が発生したり、

 

 

 

逆にリハビリの成果で
介助があればやっとトイレで
排泄できるようになったのに、

 

 

 

諦めてオムツに失禁してしまう…という
悲しい現状があります。

 

 

 

私のプライマリー患者さんも、
脳血管疾患により
認知症様の症状があり
記憶の保持が難しい状態ですが、

 

 

 

ベースにはトイレを依頼する事への
強い遠慮がありました。

 

 

 

その結果、
柵を外して自分で行こうと、
(病棟で言ういわゆる)危険行動に出たり、
逆にオムツに失禁を繰り返してしまったり…

 

 

 

危険行動があるとなれば、
その時々のスタッフの判断で四点柵 →
センサー使用 →
しまいには
夜間の体幹抑制まで使用開始となります。

 

 

 

プライマリーとして、
日々患者さんへは
“おトイレは遠慮せず呼んでください”
お願いはしていましたが、

 

 

 

何かを変えなければ
この悪循環は
断ち切れないと思いました。

 

 

 

私ができる事があるならば
実際にトイレコールを下さった時に
“依頼して良かった”と思えるとか、

トイレで排泄する事の
心地よさを感じてもらうとか、

 

 

 

とにかく小さな積み重ねが
大切かなと考えました。

 

 

 

その結果、
自然と自分が発していた言葉が
“呼んで下さってありがとうございます”
だったのです。

 

 

時間を経て、
少しずつナースコールを
押してくれるようになった患者さん。

 

 
ある時、突然

「私、あなたの言葉に心から救われたのよ。

だって、おトイレのお願いをした時、
あなたは私に
”呼んで下さってありがとう”
って言ってくれたでしょ?

 

 

 

呼ぼうか、呼ぶまいか、悩んで悩んで、
“またトイレ?”なんて言われたら
どうしよう…って
ドキドキしてたのに、
まさか感謝の言葉を伝えられるなんて。

 

 

そういう言葉って、
心から思ってないと出ないものよ。
だから本当に嬉しかったの。」
と、私に気持ちを伝えて下さいました。

 

 

 

私の存在や、顔と名前も
一致してはいないと思っていましたが、
根気強く関われば、気持ちって、
ちゃんと相手に伝わるものなんだなぁ〜と、
ちょっと嬉しくなった話でした。

 

 

 

自分の行動がどうということよりも
どの患者さんも受け取る力があるんだ
ということが再認識できて
私はそこが嬉しかったのです。

 

 

 

 

どんな状況でも
患者さんの力を信じなくてはいけない
丁寧に関わっていきたい
改めて思いました。 』

 

 

 

飾りもてらいもない
そのまんま彼女の看護です。

 

 

 

その方を思う誠実さと
患者さんの力を信頼する心を根底に
看護の工夫と根気強い関わりから
出てきた言葉。

 

 

 

それは、
たとえ認知機能の低下があったとしても
患者さんに伝わり、喜ばれ
安全を守ることにもつながっていく。

 

 

 

私は彼女の看護に大変
心を揺さぶられる思いがしました。

 

 

 


 

 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る