最期の時間をしっかり支えるために看護師がつけるべき力とは

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私は患者さんへの心のケアや
看護師の態度や配慮などを
とても大事に思っていますが、

 

今後もそのことについて
書き続ける前に
ぜひ書いておきたいと
思っていることがあります。

 

 

それは、患者さんの苦痛に対応するには
優しいばかりではどうにもならない
ということです。

 

 

至極当たり前のことです。

 

 

患者さんが痛い、苦しい、辛い
と言っている時

 

 

「痛いですね。苦しいですね。辛いですね」
と優しい気持ちで
寄り添うだけだったら
どうでしょうか。
きっと、相手はますますその辛さを
増していくはずです。
どうでもいいから何とかしてくれ
と怒って当然です。

 

 

 

その当たり前のことに
自分がしっかり落とし込めてなかったことを
ホスピスに行ってから
私は初めて気付いたのです。

 

 

 

それまでというのは
患者さんが痛い、辛い、苦しいという時、
自分でできるケアと
医師があらかじめ出してある指示で対応し

 

 

 

それでも苦痛が取れない時は
医師へ怒りや苛立ちを向けていました。

 

 

 

ちゃんと適切な指示を出さない医師
ちゃんと見に来ない医師が悪いんだ
という風に。

 

 

 

自分が患者さんの苦痛に対応できないことを
医師の責任にすることで
私は苦痛が取れない患者さんの
味方でいるような気がしていました。

 

 

その姿勢が
間違っていたことに気付いたのは
ホスピスに行ってからです。

 

 

ホスピスは
患者さんが最期の時間まで
その人らしく生きることを
支える場所です。

 

 

 

そのためには
病状が進行していくことによって生じる
身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、
霊的(スピリチュアルな)苦痛
といった全人的苦痛を和らげることに努めます。

 

 

 

どの苦痛の緩和も大切ですが、

何よりもまず
身体的苦痛の緩和
なされていなければ
他の苦痛も和らげることはできません。

 

 

 

患者さんは
確実に病状が変化していく
方々ばかりです。

 

 

 

患者さんの最もそばに
24時間いる看護師が
その変化をいち早くキャッチし

 

 
何が患者さんに起こっているのか
何をすることが
現在起きている苦痛を和らげるのに
適しているのか

 

 

 

タイムリーに的確に
対応していかなければ

 

 

 

苦痛が強まり
後手後手になっていきます。
すると、患者さんが
苦痛の中にいる時間が長引いていきます。

 

 

そうならないためにも
患者さんの最も近くにいる
看護師の観察力判断力が求められます。

 

 

これまで私は

症状緩和の薬剤の
種類や量、使い方などを
すべて医師任せにし

 

患者さんの苦痛に対し
何がどのように効果的で
適切・適量なのか

 

知識も不十分であり
なおかつ、
「自分で」は
考えていなかったのでした。

 

 

ですがホスピスでは
看護師が自分で判断し対応する、
あるいはどうすればいいかの意見を持ち

 

 
患者さんの苦痛に対する
症状緩和の方向性や薬剤などを
医師と常に話し合っていました。

 

 

 

そのような看護師の姿勢は
私には驚きで

 

 

 

同時にこれまで医師に
依存的な姿勢でいたことを
感じました。

 

 

もちろん、そのような力をつけても
看護師の意見が
いつも正しいとは限りませんし

 

 

例え適切であっても
医師との話し合いが
スムーズに行くとは限りません。

 

 

 

ですが何よりも
患者さんの苦痛を緩和するために

ナースがしっかりとした知識に基づいて
自分で考えていくことは

 

患者さんのかけがえのない
最期の時間の質
高めていくことに
つなげていけるのです。

 

患者さんの力になりたい
しっかり支えてあげたいと思うなら
ここをはずすわけにはいかない
看護師に必要な力です。

 

 

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