未分類

姉との練習③

投稿日:2020年10月26日 更新日:

姉には旦那さまがいる。

とても実直で真面目なご主人で、姉は良い人と結婚したなと思っていた。

ところが、そのご主人が、病気のことを全く理解してくれない、と

電話練習の当初、姉が嘆くことがたびたびあった。

姉の病気は姉との練習①に書いたように、

「線維筋痛症」という難病で、治るというのは難しい。

痛みを抱え、コントロールしながら

痛みが強まらないような生活をしていくのが一般的な見解だ。

医師からそのように伝えられていた。

ただ、姉からは思いのほか、

治らないことへの葛藤のようなものは繰り返しは聞かれなかったが

夫が自分の病気のことを理解してくれない、

入院したり、実家で静養したら

治って戻ってくると思っていることを何度か嘆いていた。

私としては、実のところ姉に対してよりも

姉のご主人の方に胸が締め付けられるような心苦しさを持っていた。

自分の妻が、痛みで自由に動けず、家事もほぼできない。

そんな中で、一家の大黒柱として家業と

姉ができないほとんどの家事と、

まだ小学生の子供の世話をしなければならない。

その重圧は計り知れないものがある。

将来に渡り、姉がそのような状況から良くなることを望めないという現実は

容易に受け入れられるものではないだろう。

私は姉の「夫が自分の病気を理解してくれない」という嘆きを

30分聞いた後、

「ここからは看護師として思うことだよ」

と、私の考えを話した。

家族の一員が病気になって、心が揺れない家族はいないこと

家族にも病気の受け入れには段階があって

衝撃から否認、退行、諦めなどの経過を経てから

ようやく受容に至ること等を話した。

これは、病気や事故など危機状態に直面したときの防衛反応といえる。

ご主人は、病気を理解できない頑固者なのではない。

耐え難い現実を、どう受け止めるか。

それまでの受け入れのプロセスの途中にいるのだ。

しかも、ご主人の苦しい思いは誰が受け止めているのか?

そのような人や状況があるのかわからない。

一人で苦しさを抱えているのだとしたら、なおのこと苦しさも増し、

受け入れるまでに時間がかかる。

看護師の立場として伝えることにより、姉にご主人の状態も理解できるよう促した。

病気の姉、痛みを抱えている姉が自分の苦しみをわかってほしいというのは理解できる。

ただ、家族もそれぞれに姉が病気になったことで姉とは違う苦しみを味わっていることを

姉にわかってもらいたかった。

同居している家族ばかりではない。

妹である私自身も

心が揺れ、心配し、何とか良くならないかと思って動いてきた。

姉とカウンセリングの練習と称して対話を続けようなんて

痛みとともに過ごさなければならない病気に姉がなったからゆえだ。

おそらく、姉のご主人の方のご両親や兄弟なども、全くの他人事ではいられないはずだ。

「そっか、そんなふうに考えたことなかったわ」と姉は言った。

-未分類

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

no image

カウンセリング学習の目的

誰かの話しを聞かせてもらうとき、カウンセリングのスキルや知識はどの程度必要なのだろうか。 スキルや知識の有無が影響するのだろうか。 特にさまざまな悩みや気持ちを聞いてほしいと願っている人が、話せてよか …

no image

姉との練習①〜始めたきっかけ

姉とは住んでいる場所も遠く、これまでも日常的にいろいろなやりとりをしていたわけではなかった。 せいぜいお盆やお正月に会った時に話すくらいか。 姉は夫と子供とがいるし、私は独身で仕事をしているので、それ …

no image

元同僚との会話

先日、元の職場の同僚と電話で話した。 彼女はもともと、あまりお喋りの方ではない。 だが、彼女の方から話しを聞いてほしいと言ってくるくらいだから なにかよっぽどのことなのだろうと思った。 職場で彼女が抱 …

no image

姉との練習②

「私はカウンセリングの学習をしてないからちゃんと聞けないよ」 という姉に「うんうん」と頷いて聞いてくれればいいから、とざっくり伝えて 二人の練習が週に一度のペースで始まりました。 姉の「うんうん」には …

no image

Hello world!

WordPress へようこそ。こちらは最初の投稿です。編集または削除し、コンテンツ作成を始めてください。